つい教えてしまう親心が子供の成長を阻害しているかも?

「親がしっかりと教えなければ、子供は成長しない」と思い込んでいませんか?
実は「教えすぎ」は、却って子供の成長を阻害することがあります。
必要なことだけを教えたら、そのほかの事柄は子供に自由にさせましょう。
試行錯誤をすることで、さまざまな能力を伸ばせるからです。

遊びや勉強をうまくできない様子をみると、つい口出しや手出しをしたくなるのが親心です。
でも、子供の健やかな成長には、「見守る」ことが欠かせません。
試行錯誤をしたり、工夫をしたりする過程において、子供の自主性や創造力が養われるからです。
また、自分の力で何を成し遂げた成功体験は自己肯定感を高め、安定した人格を形成します。

昔は、子供は友達と外で遊ぶのが当たり前でした。
年上の子が年下の面倒をみながら、子供同士でさまざまな遊びを行っていました。
しかし現代はそのような機会が減り、親が付き添って遊ばせるケースが一般的です。
このため、子供の遊びについ口出しや手出しをするなど、過干渉になりやすいのです。

自分で考える力を伸ばすための教育を目指そう

見守ることが大切だからといって、何も教えないわけではありません。
良くないのは「教えすぎ」「干渉しすぎ」であって、お箸の持ち方や挨拶の仕方、あいうえおなど、多くの事柄は最初は親や先生が教えなければ、子供は理解できません。
特に、小さな子供に教えなければいけないのが、身の危険に関する事柄です。
危険な行為は、理解できるまで何度も繰り返し教える必要があります。

しかしそれ以外の事柄は、子供が遊びや学びを通じて自分で気付くのを待ってあげましょう。
そうすることで、潜在力をより一層伸ばすことができます。

たとえば、友達とおもちゃの取り合いになって相手が泣いてしまったとき、親としてはすぐに介入したくなります。
それでは、子供が学ぶ機会を取り上げてしまいかねません。
子供はおもちゃの取り合いというトラブルを通じて、相手の気持ちを理解したり、社会のルールを学んだりして成長するからです。

それなのに、親がおもちゃを取り上げてお友達に渡したらどうでしょうか?
子供の思考はそこでストップし、自分で考えることができません。
相手の気持を思いやることを学ぶチャンスを、親が取り上げてしまうことになります。

また、遊びや勉強で明らかに行き詰まっているときは、親からのアドバイスで解決の糸口がみつかることもあります。
一から十まで教えるのではなく、子供が自分で気づけるよう、ちょっとしたアドバイスをするのは良いことです。
大人の視点で近道を教えるのではなく、「遠回りでも自分で考える力を養うために、親ができるアドバイスは何か?」という視点で教育を行うことが、過干渉を回避するコツではないでしょうか。